EP『甘い予感』楽曲解説(セルフライナーノーツ)

大和田慧 New EP『甘い予感』 特設サイト

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EP『甘い予感』は、2021年にリリースした前作EP『LIFE』と同じくコロナ禍という大きな変化を経て、どう生きていきたいか、と問い続ける日々のなかで作りました。『LIFE』では周りと手をとりあうように、外側を向くことを意識して作りましたが、今回は逆にとてもパーソナルな作品になりました。

このEPは多くの才能との関わりから生まれています。尊敬する同時代のアーティストたちが力強く表現を続ける姿と、根底にある愛や温かさに触れたことで私自身も変わったように思います。


01.「甘い予感」

過去との共依存を手放して、
いまこの瞬間を、美味しい果物のように、恐れず思いっきり味わえばいい!
という鮮やかなメッセージを込めています。
応援歌だけど、生きることの色気みたいな風味も加えて。
迷ったら本能に従ってみる、甘い予感。
そして太陽の光。
外に出る機会が減り、部屋に閉じこもることが前より増えたこの数年間。
太陽の光が心に与える影響に気付き、積極的に光を浴びるようにしたら、みるみる変化を感じました。そんなふうに、この曲を聴いてもらって少しでも気分があがったら嬉しいなと思います。通勤、通学、運動中、もうちょっと頑張りたいとき、気持ちを切り替えたいときにぜひ聴いてみてください。
演奏は大和田慧バンドとしてライブも重ねてきたメンバーで録音。
ライブ感のある仕上がりになりました!


02. 「Into The Night feat. ZIN & 黒田卓也」

素晴らしいアーティストとの夢のコラボレーションが叶った1曲。

まず、シンガーソングライターのZINくん。
自分のスピリット、自分の生き方やスタイル、言葉をもってる人。
心からリスペクトする同時代を生きるアーティストです。
こうして一緒に曲が作れて本当に嬉しい!
レコーディングではその歌声の美しさ、ZINくんにしか出せないNeo Soulのフィールにうっとり、痺れていました。
みんなZINくんの歌にとろけてしまうでしょう。

歌詞とメロディもZINくんと共作。1番の、ZINくんが歌う部分を書いてもらいました。
続きを書くように作詞するのも楽しかったです。
テーマは、「実際に会っていないと、余計なこと言っちゃったかな〜とか、いろいろ考え過ぎてしまうことあるよね」という共感トークから発展しました。会えば、なんだ、そうだったのか、とわかって安心する気持ち。そんなイメージです。

そして世界で活躍するトランペッターの黒田卓也さん。
6〜7年前にお会いしてから、恐れ多くも当時やられていたMEGAPTERAS というバンドのイベントに参加させてもらったり、NYでお世話になったり、イベントでご一緒させてもらったりしてきました。思い切り場を楽しく盛り上げながら、奥底にある音楽に対するストイックな想いをビシビシと感じて、いつもお会いすると少し緊張します。ある時代のネオソウルやR&Bの匂いを今の私達で表現した、こういった楽曲を卓也さんにこそ、お願いできたら…と密かに思っていました。念願が叶って嬉しいです。NYで遠隔で録音してもらいm、届いたときは曲のラストが本当に美しくて、感動でした。

トラックは宮川純くんとWONKの荒田洸くん、という強力タッグで作ってもらいました!
このふたりのタッグは前作で「Seasons」「You will never lose me」も手掛けてもらっています。
ビートに限らず荒田くんの現代的な音作りのアイディアと、純くんの芳醇なセンスや演奏力が素晴らしいマッチだと思っています。


03.「Fortunata」

2022年6月に丸の内コットンクラブで開催された、コンテンポラリーダンスとのコラボレーション公演のために書いた曲です。イスラエルを拠点に世界中で踊ってきたダンサー柿崎麻莉子さんとのクリエイションは本当に特別な時間でした。音楽とダンスを結びつけるヒントを探すなかで、私の好きな小説家ジャネット・ウィンターソンの「さくらんぼの性は」に登場する、主人公が探し求める幻の踊り子 “フォーチュナータ” が麻莉子さんのイメージにぴったりでした。そこから曲を書き、運命とも未来ともとれるその美しい名前をタイトルにしました。
公演では生演奏のバージョンと、ダンスシーン用の2種類を作り、主題歌のような存在でした。EPに収録するにあたり、新しいアレンジをしました。お楽しみに。

 

04,「Gone」
ある女性アーティストに提供しようと思って書いた曲でした。
宮川純くんにデモを聴かせたところ、「これは慧ちゃんが歌ったほうがいい」と言ってくれて、収録となった曲です。
お楽しみに。


05.「音の記憶」
7年ほど前に書いた曲で、当時ライブでも歌っていたのですが、まだ未完成のような気がして作品化していませんでした。時が経ち、今の自分ならこの曲を表現できる気がしました。「今の私なら」と思えたこと、それ自体がこの曲のテーマだったのかもしれません。
演奏は、『甘い予感』と同様、大和田慧バンドとしてライブも重ねてきたメンバーで録音しました。お楽しみに。
歌詞は最近一緒にPodcast『もちよりRadio』もやっている作家の安達茉莉子ちゃんと共作しています。

 

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