「甘い予感」について

EP『甘い予感』は、2021年にリリースした前作EP『LIFE』と同じく、コロナ禍という大きな変化を経て、どう生きていきたいか、と問い続ける日々のなかで作りました。


『LIFE』では周りと手をとりあうように、外に向くことを意識して作りましたが、今回は逆にとてもパーソナルな作品になりました。


タイトル曲『甘い予感』は、閉じこもっていた部屋を久しぶりに抜け出たときの太陽の光の心への影響を表現しています。何もできないときも、とりあえず太陽を浴びておけば大丈夫、と思えるように。そして私自身がもっと変わりたい、強くなりたいと願っていたことから、過去を手放して、いまこの瞬間を恐れずに味わえばいいんだ、というメッセージを込めています。


リード曲『Into The Night feat. ZIN & 黒田卓也』でのZINくん、黒田卓也さんとのコラボレーションだけでなく、このEPは多くの才能との関わりから生まれています。


3曲めの『Fortunata』はコンテンポラリーダンサー柿崎麻莉子さんとのクリエイションにインスパイアされて書いた曲。


前作『LIFE』に続き、今回も一緒に走ってくれた宮川純くんの存在。


ビートメイキングと全曲ミックスしてくれた荒田洸くん(WONK)、


大和田慧バンドとしてライブを重ねてきたメンバー
(宮川純くん、吉田サトシさん、越智俊介くん、伊吹文裕くん、Haruna)。



盟友で常に心強い相談相手であり、歌詞共作してくれた作家の安達茉莉子ちゃん、
(ZINEには短編小説も書き下ろしてくれました!)


そしてアートワークを手がけてくださった画家の大岡弘晃さん。


尊敬する同時代のアーティストたちが力強く表現を続ける姿と、根底にある愛や温かさに触れたことで私も変わったように思います。



最後に収録している『音の記憶』は7年ほど前に書いた曲で、歌詞は作家の安達茉莉子ちゃんと共作していました。当時よくライブでも歌っていたのですが、どこかまだ未完成のような気がして、一旦眠らせていました。時が経ち、今の自分ならこの曲をもっとよく表現できる気がして、歌詞も書き換えて、とてもしっくりきました。「今の自分なら」と思えたこと、それ自体がこの曲のテーマだったのかもしれません。バンドのサウンドもものすごくぴったりで、宮川純くんのオルガンがとても胸に沁みます。この曲は、この時を待っていたように思えました。



ずっと強くなりたいと思っていたけど、いつのまにか、思っていたよりもちゃんと強くなっていたんだ、というのがこのミニアルバム制作を通して私がみつけたことかもしれません。


少し強くなった自分が、今を思いっきり味わいながら生きることで、未来にも、過去の自分に向けても光をあててあげる。聴いてくださる方にとっても、そんな1枚になったら嬉しいです。




大和田慧

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